マネタリーベース

英語: Monetary Base
分類: 通貨関連

マネタリーベース(Monetary Base)は、中央銀行が供給する通貨(中央銀行通貨)のことをいいます。

海外では「ベースマネー」、経済学の教科書では「ハイパワードマネー」とも呼ばれ、IMFの金融統計マニュアルでは、その基本概念について「中央銀行および政府の通貨性負債であり、通貨・信用を増加させる基礎となる金融手段」と位置づけています。

目次:コンテンツ構成

マネタリーベースの定義と統計(日本)

マネタリーベースは、中央銀行等の通貨性の負債を合計したもので、日本においては、日本銀行が供給する通貨のことを指し、具体的には「市中に出回っているお金である流通現金(日本銀行券発行高+貨幣流通高)」と「日銀当座預金」の合計値と定義しています。

マネタリーベース=日本銀行券発行高+貨幣流通高+日銀当座預金

現在、日本のマネタリーベースについては、日本銀行調査統計局が、月次の統計は毎月第2営業日の午前8時50分に前月の計数を公表しており、また日次の統計は毎営業日の午前10時に前営業日の計数を公表しています。

<マネタリーベースの流通現金について>

マネタリーベースの流通現金は、マネーストック統計の現金通貨と異なり、金融機関の保有分が含まれる。その理由は、マネーストックが「(中央銀行を含む)金融部門全体から経済に対して供給される通貨」であるのに対し、マネタリーベースは「中央銀行が供給する通貨」であるため。

マネタリーベースの調整(日本)

日本銀行では、景気の状況を適宜判断して、以下のようにマネタリーベースの調整を行っています。

◎日銀は、不景気の時は、金融機関が持つ国債等を買い上げ、マネタリーベースを増やし、経済を刺激しようとする。

◎日銀は、景気が過熱している時は、日銀が持つ国債等を金融機関に売り払って資金を吸い上げ、マネタリーベースを減らすことで過度のインフレやバブルの発生を防ぎ、安定的な経済成長に誘導する。

iFinancial TV