点心債

読み方: てんしんさい
英語: Dim Sum Bond
分類: ユーロ債

点心債は、「ディムサム・ボンド(Dim Sum Bond)」とも呼ばれ、中国本土以外、主に香港で発行・流通するオフショアの人民元建て債券(ユーロ元債)をいいます。

香港を象徴する「飲茶(ヤムチャ)」に因んだユーロ元債の俗称で、 また「点心債」に対して、海外企業等が中国国内で発行する人民元建て債券を「パンダ債」と言います。

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点心債の始まり:香港での人民元建て債券の発行

香港における人民元建て債券の発行は、2007年から実験的に始まり、当初は中国政府の官製色が濃かったですが、2010年8月にマクドナルドが外資系企業による発行を初めて行い、その際の市場の熱狂ぶりは、香港のオフショア人民元債券市場の本格的な立ち上げのシンボル的な出来事となりました。

ちなみに「点心債」という呼称は、ユーロ元債券市場の幕開けの年とも言える2010年頃に、発行量は少ないものの人民元上昇によるうま味があり、機関投資家や個人投資家の買いが殺到したことを背景に、香港の飲茶のように量は少ないものの美味しいことから名付けられたそうです。

オフショア人民元債市場の行方

世界の債券市場において、経済規模が大きく高成長する中国にバックアップされた「香港のオフショア人民元債市場」は、今後、アジアの債券市場の新勢力に成長していく潜在力が十分に高いと予測されています。その根拠として、中国政府の国策としての人民元の国際化戦略の他に、企業側の高い起債需要も市場の拡大を後押ししています。

特に民間企業の起債には、中国でビジネスを行っていく上で、人民元の調達や為替リスクの軽減、財務コストの削減などで大きなメリットがあります。また、参加者の多様化も市場拡大につながっており、さらに人民元建て債券に投資する「人民元建て債券ファンド」などの二次市場も拡大しています。

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