PASMO(パスモ)

PASMO(パスモ)とは、株式会社パスモが運営する、鉄道やバスに乗ったり、買い物をしたりすることができる、乗車券や電子マネーの機能を持つ、首都圏共通の交通系ICカードをいいます。

これは、首都圏では、東急、京王、小田急、西武、東武、京成、京急、東京メトロといったPASMOエリアの他に、JR東日本のSuicaエリアでも利用できるので、通勤や通学などで保有している人が多いです。また、交通系ICカードの相互利用サービスにより、首都圏以外でも、日本全国で広く利用できます。

なお、運営会社の株式会社パスモは、首都圏の主要な鉄道事業者とバス事業者が株主となっています。

目次:コンテンツ構成

PASMOの特徴

PASMO(パスモ)は、乗車券や電子マネーの機能を持つ、首都圏共通の交通系ICカードで、以下のような特徴があります。

鉄道もバスもタッチするだけ

PASMOでは、駅の改札機やバス車内の読取り部にタッチするだけで乗車ができます。また、定期券ののりこし運賃も、自動的に精算されます。

お財布代わりに使えて、支払いもできる

PASMOでは、コンビニや駅売店、自動販売機、ロッカーなど、交通系電子マネーのマークのあるところで、電子マネーで支払いができます。

残額履歴の確認ができる

PASMOでは、日々の生活の中で使った履歴(利用明細)の確認ができます。通常、券売機等では、直近の利用分20件まで表示・印字されます。

紛失しても再発行ができる

PASMOでは、記名式の場合、万が一、紛失しても、再発行ができるので安心です。

残額や有効期間を電子音で知らせる機能がある

PASMOでは、残額が1,000円以下になった場合、または定期券の有効期間が14日以内になった場合、改札機やバス車内での利用時に電子音で知らせる機能を設定できます。

繰り返し使える

PASMOは、チャージ(入金)して繰り返し使えるほか、PASMOの種類をリライト(書き換え変更)することでずっと使えます。

PASMO

PASMOの種類

PASMO(パスモ)は、大きく分けて、カードタイプとモバイルタイプの二つがあります。

PASMOのカードタイプ

PASMOのカードタイプは、大きく分けて、大人用PASMOと小児用PASMOの二つがあります。

大人用PASMOには、専用カードとして、記名式で定期券として利用できる「PASMO定期券」、記名人のみが利用できる「記名PASMO」、誰でも利用できる「無記名PASMO」の3つがあります。また、その他に、クレジットカードとPASMOが1枚になった「一体型PASMO」もあります。

一方で、小児用PASMOには、記名式で定期券として利用できる「PASMO定期券(小児用)」と、記名人が小児運賃で利用できる「記名PASMO(小児用)」の二つがあり、現在、小児用PASMOの有効期限は、12歳となる年度の3月31日までとなっています。

なお、PASMOのカードタイプでは、新規発行時に、デポジット(預り金)として、500円が必要です。

PASMOのモバイルタイプ

PASMOのモバイルタイプは、大きく分けて、iOS端末のアプリとAndroid端末のアプリがあり、昨今では、チャージや定期券購入などの利便性から、モバイルタイプを利用する人が増えています。

iPhoneやApple WatchなどのiOS端末では、標準装備のウォレットアプリで「Apple PayのPASMO」が利用できるようになっています。

一方で、Android端末では、モバイルPASMOアプリ、またはGoogleウォレットアプリで「モバイルPASMO」が利用できるようになっています。

PASMOの利用エリア

PASMO(パスモ)のメインエリアである、東京や神奈川、埼玉、千葉といった首都圏については、本来のPASMOエリアの他に、交通系ICカードの相互利用サービスにより、JR東日本のSuicaエリアでも利用できます。

また、首都圏以外については、交通系ICカードの相互利用サービスにより、SuicaやKitaca、TOICA、manaca、ICOCA、SUGOCAなど、日本全国の様々なエリアで利用できます。

そのため、PASMOが一つあれば、IC乗車券として、日本全国の鉄道やバスに簡単に乗れるほか、交通系電子マネーのマークのある所では、買い物も簡単にできます。

PASMOの利用方法

PASMO(パスモ)の利用方法として、鉄道、バス、電子マネーについて、簡単に説明したいと思います。

鉄道に乗る場合

PASMOは、鉄道に乗る場合、カードタイプも、モバイルタイプも、駅の改札機の読取り部にタッチするだけで改札を通過できます。

この時、正常に読取りが完了し、定期区間内での利用の場合は「ピッ」と音がし、また定期区間外などSF残額での利用の場合は「ピピッ」と音がします。一方で、正常に読取りが完了しなかった場合は「ピピピピピ」と音がしますので、ご注意ください。

※SF:PASMOに入金された、運賃として使用できる金銭的価値のこと。

バスに乗る場合

PASMOは、バスに乗る場合、運賃前払い方式と運賃後払い方式では、乗車方法に違いがあります。

具体的には、運賃前払い方式の場合は、乗車時に読取り部にタッチするのに対して、運賃後払い方式の場合は、乗車時と降車時に、読取り部にタッチします。また、乗車時に目的地を自己申告して運賃を支払う方式の「信用多区方式」の路線では、読み取り部にタッチする前に、乗務員へ目的地を知らせる必要があります。

電子マネーでの買い物

PASMOは、鉄道やバスのIC乗車券としての利用だけでなく、電子マネーとして利用することで、現金を用意することなく、気軽に買い物ができます。

具体的には、交通系電子マネーのマークのある、コンビニや駅売店、飲食店、自動販売機、コインロッカー、駐車場、駐輪場、タクシーなど、交通系電子マネーが利用できるところで、端末にタッチするだけで、簡単に支払いができるようになっています。

PASMOのチャージ

PASMO(パスモ)のチャージには、現金チャージとオートチャージの二つがあります。

PASMOの現金チャージ

PASMOは、鉄道の駅、バス、コンビニなどで、チャージ(入金)ができるようになっており、現在、チャージ上限額は20,000円です。

◎鉄道の駅では、券売機やチャージ機で、チャージができる。

◎バスでは、バス窓口やバス車内などでチャージができる。また、バス車内の場合は、乗務員に申し出て、1000円単位(千円札のみ)でのチャージとなっている。

◎コンビニなど一部のお店では、店頭のレジでチャージができる。

PASMOのオートチャージ

オートチャージとは、改札機にタッチするだけで自動的にチャージするサービスです。

これには、クレジットカードとPASMOを別々で持つ方式と、クレジットカードとPASMOを1枚で持つ方式の二つがあり、いずれも事前に申し込みが必要です。また、申込後は、オートチャージする条件や金額は、適宜、駅で変更することができます。

PASMOのモバイル

PASMO(パスモ)のモバイルについて、「iOS端末(Apple PayのPASMO)」と「Android端末(モバイルPASMO)」の二つに分けて、簡単に説明したいと思います。

Apple PayのPASMO

Apple PayのPASMOは、iPhoneに標準装備されているウォレットアプリに「PASMO」を設定することによって利用できるものです。また、App Storeから、PASMOアプリをインストールすれば、全ての機能が利用できるようになります。

◎ウォレットアプリは、Apple Payなどを使うためのアプリで、電子マネーや交通系ICカード、クレジットカードなどが一元管理できるデジタルウォレット。

◎PASMOアプリは、ウォレットアプリに連動し、機能を補完するアプリ。

モバイルPASMO

モバイルPASMOは、モバイルPASMOアプリ、またはGoogleウォレットアプリを設定することによって利用できます。

いずれも、タッチ通過やタッチ決済を行う際に、近距離無線通信技術のFericaをコントロールする「おサイフケータイアプリ」の上で動くアプリですが、一方で、それぞれが独立しており、いずれかを設定すれば、モバイルPASMOを利用できます。

もう少し詳しく言えば、モバイルPASMOアプリが、モバイルPASMOだけを使うアプリなのに対して、Googleウォレットアプリは、Google Payなどを使うためのアプリで、電子マネーや交通系ICカード、クレジットカードなどが一元管理できるデジタルウォレットとなっています。そのため、PASMO以外に、Suicaやnanaco、iD、QUICPayなども使いたい場合は、Google Payを利用するとよいでしょう。

なお、モバイルPASMOアプリとGoogleウォレットアプリは、おサイフケータイアプリを通して、連携できるようになっています(連携するには、同一のGoogleアカウントであることが必要)。

◎Googleウォレットアプリでフル機能を使うには、モバイルPASMOアプリも入れて連携させる。

◎モバイルPASMOアプリを使っていて、後からGoogle Payを使いたくなったら、Googleウォレットアプリと連携させれる。

PASMOの注意点

PASMO(パスモ)の注意点について、5つほど説明したいと思います。

(1)PASMOは、10年間使用がないと、一切使用することができなくなる。

(2)定期券など、カード券面の印字が不鮮明なPASMOは使用できないことがある。この場合、再印字の対応が必要となる。

(3)モバイルタイプのPASMOでは、電源が完全に消耗した場合、利用できない。

(4)モバイルタイプのPASMOでは、ウォレットで設定していても、フルサービスを利用するには、iOS端末ではPASMOアプリ、Android端末ではモバイルPASMOアプリを利用する必要がある。

(5)紛失・再発行の場合、所定の手続きが必要で、手数料が発生する。

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