山崎峯次郎(エスビー食品)

山崎峯次郎(やまざきみねじろう)氏は、カレーや香辛料などを製造・販売する「エスビー食品」を創業した実業家(1903年6月11日-1974年11月4日)です。大正時代の後半、埼玉から上京し、ソース屋に勤めていた頃、運命的に出会ったカレーライスに衝撃を受け、数々の辛酸の後、日本で初めてカレー粉の製造に成功しました。20歳でエスビー食品の前身である「日賀志屋」を創業し、以後、日本のカレー文化の発展に大きく貢献しました。

大正から昭和にかけて、「美味求真」を創業理念に、一代でエスビー食品を日本有数の大手加工食品メーカーに成長させ、その事業を通じて、日本の国民食として普及したカレーを始め、コショーやガーリックなどの「香辛料(スパイス)」を中心に、西洋文化を日本の独自文化に融合・創造し、広めることに尽力しました。

山崎峯次郎の基本情報

山崎峯次郎氏は、1903年(明治36年)に埼玉県北葛飾郡金杉村で生まれました(旧姓は渋谷峯次郎で、1927年に山崎家の養子となる)。高等小学校を卒業後、農業に従事し、1920年(17歳の時)に単身上京して、業務用のソースを洋食屋に売り歩く仕事に就きました。

ソース屋で働いていた頃、初めて食べたカレーライスの美味しさに魅了され、自らカレーライスの基本となるカレー粉の製造に没頭するようになり、近所からは変人扱いされながらもくじけず、一つ一つカレー粉の秘密(スパイスの選定・調合・焙煎・熟成)を解き明かし、また生産機械(焙煎機、製粉機)を独自に開発するなど度重なる努力の結果、ついにカレー粉の製造法を確立しました。

生没 1903年6月11日-1974年11月4日(享年71歳)
出身 埼玉県
学歴 金杉村高小
就職 ソース屋・・・17歳
起業 日賀志屋・・・20歳
著書 香辛料、スパイス・ロード

山崎峯次郎の事業年表

山崎峯次郎氏は、1923年(20歳の時)に日本で初めてカレー粉の製造に成功し、エスビー食品の前身である「日賀志屋」を創業しました。当時、洋食店などで使われていたカレー粉は外国産(C&Bカレーパウダーなど)が中心であり、最初は販売に苦労したそうですが、持ち前の頑張りで徐々に広まり、人気を博していきました。

大正期に純国産のカレー粉を製造・販売して以来、峯次郎氏は長きに渡って、事業を通じて日本の国民食として普及したカレーを始め、コショーやガーリックなどの「香辛料(スパイス)」を中心に、西洋文化を日本の独自文化に融合・創造し、広めていきました。また、自社の利益のみを追求するのではなく、協会や組合の設立・運営など、常に業界の先頭に立ち、業界の発展にも大きく貢献しました。

20-29歳 1923年:カレー粉製造に成功、日賀志屋を創業
1930年:ヒドリ印カレー粉(家庭用)を発売
30-39歳 1935年:合名会社日賀志屋に改組
1940年:株式会社日賀志屋に改組
40-49歳 1949年:社名をヱスビー食品株式会社に変更
1950年:赤缶カレー粉を発売
1952年:家庭用壜詰コショーを発売
50-59歳 1953年:洋風スパイスシリーズを発売
1954年:ヱスビーカレーを発売
1959年:即席モナカカレーを発売
1960年:ガーリックパウダーを発売
1961年:スパイスソースを発売
60-69歳 1961年:東証2部に上場
1964年:特製ヱスビーカレーを発売
1966年:ゴールデンーカレーを発売
1970年:チューブ入り香辛料を発売
70歳- 1973年:ディナーカレーを発売
1974年:社長を退任して会長に就任、逝去

山崎峯次郎の人物像と言葉

山崎峯次郎氏は、カレーライスに魅了され、独力で純国産のカレー粉をゼロから開発して広めるなど、情熱や先駆性、独創性を持った人でした。20歳で創業した、エスビー食品の前身である「日賀志屋」の屋号には、「一日一日を賀び、志をたてて商売にいそしみ励む」という意味が込められていたそうです。

国産初のカレー粉開発から始まった様々な功績が認められ、峯次郎氏は晩年に、紺綬褒章、藍綬褒章、紫綬褒章、勲三等旭日中綬賞を受賞し、また逝去時には閣議決定で従四位に叙せられました。

・商いとは他でもない、ネバリである。ネバリを忘れては儲けることなどできないし、商いそのものが成り立たない。

・スパイスほど人類を惑わせ、栄枯盛衰のドラマを演出した植物は他に見当たらない。

山崎峯次郎の関わった「エスビー食品」

山崎峯次郎氏が一代で築いた「エスビー食品」は、今日では、日本有数の大手加工食品メーカーとなっています。"本物のおいしさの追求"を意味する「美味求真」を創業理念として、現在に至るロングセラー「赤缶カレー粉」をはじめ、日本初の家庭用コショーや即席カレー、ガーリックパウダーやチューブ入りわさびなど、本物志向とパイオニア精神を発揮して、日本のカレー・スパイス市場をリードしてきました。また、スパイス事業で培ったノウハウを活かして、生鮮ハーブをいち早く商品化し、大きな事業に成長させました。

ちなみに、社名(エスビー)については、「社運が、日が昇る勢いであるように、また鳥が自由に大空をかけめぐるように、自社製品が津々浦々まで行き渡る」という願いを込めて「太陽=SUN」と「鳥=BIRD」を図案化した"ヒドリ印"に「S&B」を併記して商標とし、それが普及して変更したそうです。

会社名 エスビー食品株式会社〔S&B Foods Inc.〕
創業者 山崎峯次郎
創業 1923年4月5日
設立 1940年4月5日
事業内容 カレー、コショー、ガーリック等香辛料とチューブ入り香辛料等の香辛調味料、即席カレー、即席シチュー、レトルト食品、チルド食品、生ハーブ及びハーブ関連商品他各種食品の製造販売
企業理念 食卓に、自然としあわせを。
上場 東証2部

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