相殺

読み方: そうさい
分類: 実務

相殺は、一般的な意味としては、貸し借りや損得などを互いに消し合ってゼロ(帳消し)にすることや、相反するものが互いに影響し合ってその効果などが差し引きされることをいいます。これは、法律用語としては、二人の者が互いに相手方に対して同種の債権を持っている場合に、双方の債権を対当額だけ差し引いて消滅させることをいいます。

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相殺の一般的な意味

相殺は、一般的には、互いに消し合ってゼロにする、互いに影響し合ってその効果などが差し引きされるといった意味で使われます。

<相殺の用例>

・販売台数の減少による減益を販売費用の改善で相殺し、増益を確保した
・投資において、売却損となった場合、他の譲渡益と相殺して、課税対象額を圧縮できる
・海外旅行者の増加に伴うサービス収支赤字によって、経常黒字はかなり相殺されている

相殺の法律用語としての意味

相殺は、日本の民法では、以下のように規定されています。

第505条(相殺の要件等)

1.二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、その対当額について相殺によってその債務を免れることができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。

2.前項の規定は、当事者が反対の意思を表示した場合には、適用しない。ただし、その意思表示は、善意の第三者に対抗することができない。

第506条(相殺の方法及び効力)

1.相殺は、当事者の一方から相手方に対する意思表示によってする。この場合において、その意思表示には、条件又は期限を付することができない。

2.前項の意思表示は、双方の債務が互いに相殺に適するようになった時にさかのぼってその効力を生ずる。

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