ナショナルミニマム

英語名: National Minimum
分類: 賃金

ナショナルミニマム(National Minimum)は、日本語では「国民最低限」や「国民生活環境最低基準」とも訳され、国家が国民に対して保障すべき必要最低限の生活水準のことをいいます。

元々は、19世紀後半にイギリスのウェッブ夫妻が「産業民主制論」で提唱した社会改革の概念で、最低賃金、最長労働時間、衛生安全、義務教育の4つの項目から構成されます。また、本概念は、イギリスのケンブリッジ学派(経済学者)のアーサー・セシル・ピグーによる「厚生経済学」にも継承されたそうです。

現在、ナショナルミニマムは、本来の概念を超えて幅広く使われており、例えば、「国家が広く国民全体に対して保障すべき必要最低限の生活水準」という意味で使われることもあります。この場合は、日本国憲法第25条1項において、「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と記されており、ナショナルミニマムの達成による「国民の生存権」の保障と解釈することもできます。

なお、本用語と似たような概念に、自治体が住民の生活のために保障しなければならないとされる最低限度の生活環境基準を意味する「シビルミニマム(Civil Minimum)」があります。

※ウェッブ夫妻:1884年に創設された漸進的な社会改革を主張する英国の社会主義者の団体「フェビアン協会」の中心人物。