シェール革命

読み方: しぇーるかくめい
英語: Shale revolution
分類: エネルギー

シェール革命は、「シェールガス革命」とも呼ばれ、かつて採掘が困難であった頁岩(シェール)層から天然ガスや石油の採掘が可能になったことにより、世界のエネルギー事情や経済情勢、地政学的な国際情勢(安全保障)など、多方面に影響が及ぶことをいいます。

2010年代に叫ばれた概念で、当初は以下のような予想がされましたが、昨今の世界的な環境問題への意識の高まりと2021年の環境重視のバイデン政権の誕生により、現在、シェール革命の行方は不透明になっています。

◎世界最大のエネルギー需要者である米国が、近い将来、エネルギーを自給できるようになる(天然ガスについては純輸出国になり、世界のエネルギー需給が大きく変わる)ことで、中東やロシアなどの欧州・アジア向けのガス価格が大きく下がると予想される。

◎シェールガスは、北米以外にも、中国や南米、アフリカ、オーストラリア、欧州、ロシアなど世界各地に豊富に埋蔵されており、近い将来、世界のエネルギー地図が大きく塗り替えられる可能性がある。

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シェールガスとシェールオイル

シェールガスとシェールオイルは、フラッキング(水圧破砕)などの技術革新により、かつて採掘が困難であった頁岩(シェール)層から採掘できるようになったものです。

シェールガス

シェールガスは、頁岩層から採取される天然ガスをいう。通常、泥岩の中で、特に固く薄片状に剥がれやすい性質を持つシェール(頁岩)に含まれ、従来(在来型)のガス田ではない場所から生産されることから「非在来型天然ガス」とも呼ばれる。

シェールオイル

シェールオイルは、頁岩や砂岩などの高密度な岩盤層に溜まった石油であるタイトオイルの一種で、地中の頁岩層に含まれる原油(石油)をいう。通常、地中深くの泥土が堆積してできる頁岩の間から産出し、その副産物として天然ガスも産出する。

米国のシェール革命

米国において、フラッキング(水圧破砕)などの技術革新により、2005年頃からシェールガスの産出が急拡大し、米国内のガス増産だけでなく、世界の天然ガス供給体制やエネルギー需給などにも大きな影響を及ぼすようになりました。

2010年代に入ると、シェール革命によるエネルギー価格(ガス価格等)の大幅な低下を背景に、ガス火力発電所が増加する一方で、原子力発電所の新設計画の撤回が相次ぎ、またエネルギー集約的な重化学工業等の製造業の国内回帰なども見られ、従来の産業構造に大きな変化が及び、その経済効果は莫大なものとなっていました。

しかしながら、2021年に環境軽視のトランプ政権から環境重視のバイデン政権に代わると、脱炭素のクリーンエネルギーへの転換を政策目標に掲げたことから、シェール革命には大きな逆風となっています。