石油輸出国機構(OPEC)

読み方: せきゆゆしゅつこくきこう(おぺっく)
英語: Organization of the Petroleum Exporting Countries
分類: エネルギー

石油輸出国機構(OPEC)は、石油の価格維持や生産調整などを目的として結成された国際機構をいいます。

1960年9月14日に中東産油国(イラン、イラク、サウジアラビア、クウェート、ベネズエラ)を中心に設立された組織で、本部はオーストリア共和国のウィーンにあります。また、組織面では、総会(機構の最高機関)、理事会、事務局の3つの機関を持ち、その他に閣僚監視委員会や経済委員会、協議会などもあります。

現在、OPECの加盟国は13カ国で、原油の生産・価格カルテル組織となっており、世界の原油価格をコントロールするために、定期的に総会を開いて、加盟国の原油の生産量を調整しています。

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石油輸出国機構(OPEC)の沿革

1959年~1960年に欧米の石油メジャー(国際石油資本)が関係産油国の了承なく、一方的に中東産原油価格を引き下げたことに対して、この価格支配に対抗して共同行動(個別的・集団的利害の擁護)を取ることを目的に、イラクのバグダッドで会合が開かれ、「石油輸出国機構(OPEC)」が設立されました。

その後、1970年代に入ると、テヘラン協定やトリポリ協定によって、OPECによる攻勢が強まり、また二度のオイルショックを通じて、産油国による石油利権の完全国有化や原油価格決定権の奪回が行われ、OPECの総会が世界の石油情勢に与える影響は多大なものとなりました。

しかしながら、時代の変遷の中でOPECの影響力も段々と低下し、昨今では、加盟国間で利害が相反し、調整がうまくいかないことも多いほか、原油価格については、OPECだけではうまくコントロールできず、非OPECとの協調が大きなカギとなっています。

石油輸出国機構(OPEC)の加盟国

石油輸出国機構(OPEC)の加盟国の要件は、基本的利害を同じくすること、相当量の原油純輸出国であること、原加盟国の全てを含む加盟国の4分の3が賛同することとなっています。

<原加盟国:5カ国>

イラン、イラク、クウェート、サウジアラビア、ベネズエラ

<その他の加盟国:8カ国>

リビア、アラブ首長国連邦(UAE)、アルジェリア、ナイジェリア、カボン、アンゴラ、赤道ギニア、コンゴ共和国

石油輸出国機構(OPEC)の目的

石油輸出国機構(OPEC)の目的は、以下のようになっています。

◎加盟国の石油政策の調整及び一元化と、加盟国の利益を個別及び全体的に守るために最良の手段を決定すること。

◎国際石油市場における価格の安定を確保するための手段を講じること。

◎生産国の利益のための着実な収入の確保、消費国に対する石油の効率的・経済的かつ安定的な供給、及び石油産業における投資に対する公正な資本の見返りを確保すること。

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