ドミナントデザイン

ドミナントデザイン（Dominant Design）は、技術やデザイン、サービスなどで広く使われる概念で、標準的かつ支配的な仕様をいいます。

製品や産業の進化論的モデルの中心コンセプトで、ある革新的な製品が市場に投入された当初は、様々な仕様（タイプ）が考案され、各社で競争が行われますが、その後、製品が成熟化していく中で、集大成した傑作が生まれ、それが「ドミナントデザイン」となります。

例えば、初期の自動車では、駆動力として、ガソリンエンジンの他に、蒸気や電気などの技術規格間の競争がありましたが、最終的にはガソリンエンジンに集約し、「T型フォード」という傑作が生まれ、それがドミナントデザインとなりました。

一般にある製品において、ドミナントデザインが定まるまでは、製品イノベーションが数多く行われますが、一方でドミナントデザイン（標準的かつ支配的な仕様）が定まった後は、その仕様で周辺の差別化が行われると共に、コスト低減を図る工程イノベーションが中心となっていきます。

＜ドミナントデザインの例＞

・自動車：T型フォード
・プロペラ機：DC3
・コンピュータ：IBM360
・カップ麺：カップヌードル
・スマートフォン：iPhone
・ロボット掃除機：Roomba
・動画配信：Netflix　他