個人年金保険
個人年金保険は、「殖やす(運用)」「受け取る(年金)」「残す(保険)」の3つの機能がセットになった生命保険商品をいいます。これは、保険会社に保険料を払込み、所定の据置(運用)期間満了後に運用成果(年金原資)を年金として、または一括で受取ることができるという仕組みになっています。また、据置(運用)期間中に、万一のことがあった場合は、予め指定した受取人に死亡給付金(死亡保険金)が支払われます。
昨今、日本は急速な少子高齢化により、将来の公的年金制度に対する不安が高まっています。また、日本人の平均寿命は非常に長く、退職してから年金を受け取るまでの期間の収入確保や、60代~70代のゆとりある生活資金の確保などで、将来の老後資金に対する自助努力が必要になっています。そのような状況の中、個人年金保険は、公的年金や退職金以外に、ある程度の時間をかけてまとまった老後資金を準備できる私的年金であり、一つの有効な手段と言えます。
個人年金保険の商品タイプ
個人年金保険は、大きく分けて、契約時に将来の年金原資(受取年金額)が確定する「定額年金保険」と、運用成果により受取年金額や解約返戻金などが変動する「変額年金保険(投資型年金保険)」の2つがあります。また、この2つ以外にも、積立利率が定期的に市場金利を反映する「積立利率変動型年金保険」というものもあります。
・定額年金保険:契約時に将来の年金原資が確定
・変額年金保険:運用成果により受取年金額などが増減
・積立利率変動型年金保険:積立利率が定期的に市場金利を反映
個人年金保険の年金の受取方法
個人年金保険は、商品によっては、年金の受取方法が限定されることもありますが、一般的には、下記のような受取方法があります。
●終身年金
被保険者が生きている限り、一生涯年金を受取れる。
●夫婦年金
終身年金の一種で、夫婦のどちらか一方が生きている限り、年金を受取れる。
●保証期間付終身年金
年金受取開始後の一定期間(保証期間)は、被保険者の生死に関わらず年金を受取れ、その後は生きている限り年金を受取れる。ただし、保証期間内に死亡した場合は、通常、残存期間に応じた一時金(年金現価)が予め指定した受取人に支払われる。
●確定年金
予め定めた年金の受取期間中は、被保険者の生死に関わらず年金を受取れる。ただし、年金受取期間中に死亡した場合は、通常、残存期間に応じた一時金(年金現価)が予め指定した受取人に支払われる。
●有期年金
予め定めた年金の受取期間中に被保険者が生きている限り、年金を受取れる。
●保証期間付有期年金
保証期間中は、被保険者の生死に関わらず年金を受取れ、その後は、予め定めた年金の受取期間中に被保険者が生きている限り年金を受取れる。ただし、保証期間内に死亡した場合は、通常、残存期間に応じた一時金(年金現価)が予め指定した受取人に支払われる。
個人年金保険の基本事項
個人年金保険は、自助努力で将来の老後資金に備える場合に活用します。
取扱機関 | 生命保険会社、保険代理店、銀行、証券会社など |
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カバーリスク | 長生き(老後資金) |
加入年齢 | 商品により異なる |
保険金 | 年金、死亡給付金 他 |
貯蓄性 | 有り |
税金 | 毎年受け取る年金が所得税(雑所得)の対象 |