貨幣

読み方: かへい
英語: Money
分類: 貨幣

貨幣は、決済手段と価値尺度と価値貯蔵手段の機能を持つものをいいます。これは、広く社会に流通し、商品(財・サービス)の交換の際に、価値の尺度や支払の手段の役割を果たすほか、それ自体が富として価値の蓄蔵を図られるものを指します。

また、狭義では、流通手段や支払手段として機能し、世の中に広く流通している貨幣を「通貨」と言い、一方で広義では、通貨は貨幣と同義に用いられることもあります。

目次:コンテンツ構成

貨幣の変遷について

貨幣の起源は、原始社会にまで遡ると言われ、人々の間で分業が発達し、商品交換が進むにつれて、貝殻や石、布、家畜などが媒体として使われ、その後、金や銀が「本位貨幣」とされるようになりました。そして、現代では、鋳貨や紙幣銀行券が用いられるほか、信用貨幣も含められることが多いです。

(1)自然貨幣:貝殻、石、骨など、自然のもの

(2)商品貨幣:布、家畜、穀物、茶、塩など

(3)秤量貨幣:金、銀、銅など金属を重さで量って使用

(4)鋳造貨幣:金属を一定の型に入れて製造(品質等保証)

(5)兌換紙幣:一定量の金との交換を保証した紙幣

(6)不換紙幣:金との交換のない現代の紙幣

貨幣の概念について

貨幣は、長い時代を経て発達し、その中で、以下のような概念が基本となっています。

|本位貨幣

本位貨幣は、貨幣自体の素材の価値と額面金額が一致し、一国の貨幣制度の基準となる貨幣をいい、例えば、金本位制や銀本位制の時代の金貨や銀貨が挙げられる。

|補助貨幣

補助貨幣は、少額取引の利便性を図るために、金属を素材として、政府により鋳造・発行される小額貨幣をいい、現在、硬貨として利用されている。

|法定貨幣

法定貨幣は、法律によって支払手段や流通手段として強制通用力を与えられている貨幣をいい、現在、日本では、「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」で定義されている。

|信用貨幣

信用貨幣は、手形や小切手、銀行券など、信用を基礎にして流通する貨幣代用物をいう。

日本の通貨と貨幣について

現在、日本において、「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」では、第2条3項で「通貨とは、貨幣及び日本銀行法(平成9年法律第89号)第46条第1項の規定により日本銀行が発行する銀行券をいう」と記され、また第5条1項で「貨幣の種類は、五百円百円五十円十円五円及び一円の六種類とする」と記されています。

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