産業クラスター

読み方: さんぎょうくらすたー
英語: Industrial clusters
分類: 概念

産業クラスター(Industrial clusters)は、新事業が次々と生み出されるような事業環境を整備することによって、競争優位を持つ産業が核となって広域的な産業集積が進む状態をいいます。

米国の経営学者であるマイケル・E・ポーター教授が提唱した概念で、具体的には、情報通信や医薬、バイオ、食料、環境といった特定分野の企業、大学や研究機関、自治体といった公共機関、ベンチャーキャピタルや法律事務所、会計事務所といった専門機関などが一定地域に集積した状態を指します。

産業クラスターの期待と条件

元来、クラスターとは「ブドウの房」を意味し、産業クラスターでは、ブドウの房のように、企業や公共機関、専門機関などが地理的に集積し、ネットワークを形成してイノベーションを創出することが期待されています。

また、ポーター教授は、クラスターを強める条件として、要素条件、需要条件、関連産業・支援産業、企業戦略及び競争環境の4つを挙げています。

<世界の産業クラスターの代表例>

・シリコンバレー(米国):情報通信
・オースチン(米国):情報通信
・ケンブリッジ(英国):バイオ、医薬
・ミュンヘン(ドイツ):バイオ、医薬
・オウル(フィンランド):バイオ、情報通信
・バンガロール(インド):情報通信
・今治市(日本):造船業

日本の産業クラスター政策

現在、日本においては、経済産業省が中心となって、産業クラスター政策が進められています。

<産業クラスター政策について>

地域の中堅中小企業やベンチャー企業が大学や研究機関などのシーズを活用して、産業クラスターを形成し、国の競争力向上を図るもの。

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