中所得国の罠

読み方: ちゅうしょとくこくのわな
英語名: Middle-income trap
分類: 世界経済|概念

中所得国の罠は、自国経済が中所得国のレベルで停滞し、先進国(高所得国)入りが中々できない状況をいいます。これは、新興国が低賃金の労働力等を原動力として経済成長し、中所得国の仲間入りを果たした後、自国の人件費の上昇や後発新興国の追い上げ、先進国の先端イノベーション(技術力等)の格差などに遭って競争力を失い、経済成長が停滞する現象を指します。

一般に中所得国とは、一人当たりの国内総生産(GDP)が3千ドルから1万ドル程度の国を指し、実際に1万ドルに達した後に本状況に陥る国や地域が多いです(1万ドルから2万ドルには中々達しない)。また、過去(歴史)を振り返ると、低所得国から中所得国になることができた国は多いですが、一方で高所得国の水準を達成できた国は比較的少ないと言えます。

中所得国において、この罠を回避するには、規模の経済を実現すると共に産業の高度化が欠かせませんが、そのために必要な技術の獲得や人材の育成、社会の変革(金融システムの整備や腐敗・汚職の根絶等)が進まないのが大きな課題となっています。ちなみに、東アジア地域においては、韓国や台湾が1990年代後半にかけて、この罠に陥り伸び悩みましたが、その後、電機やITなどを核に産業を高度化し、高所得国入りを果たしました。