上海協力機構(SCO)

読み方: しゃんはいきょうりょくきこう
英語: Shanghai Cooperation Organisation(SCO)
分類: 協力機構

上海協力機構(SCO)は、中国、ロシア、カザフスタン、タジキスタン、キルギス、ウズベキスタン、インド、パキスタン、イランが加盟する地域協力機構をいいます。

上海ファイブ(中国、ロシア、カザフスタン、タジキスタン、キルギスの5カ国首脳会議)を前身として、2001年に発足したもので、政治や経済、文化、安全保障など幅広い分野で連携を図る「多国間協力の枠組み」となっています。

現在、SCOは地域協力機構として、加盟国の総面積は世界最大、加盟国の総GDPは世界の20%超、加盟国の総人口は世界の40%超を占め、また外交的には欧米への対抗軸としての性格があるほか、多くの紛争地帯に隣接する地政学的な特色から、国際的に存在感を強めています。

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上海協力機構(SCO)の背景

1996年4月に中国・ロシア・カザフスタン・タジキスタン・キルギスの5カ国の首脳が上海に集まり国際会議(会合)を開いたのが始まりです。

当時、ロシアやカザフスタンでは、軍事費の財政への負担を軽減するため、国境地帯などで兵力削減を図る必要がありました。一方で、中国では、ウイグル族の分離独立運動への在外ウイグル人からの支援を防止するため、周辺国との緊張緩和を図り、共同で対処する必要がありました。

このような背景から、本会合では、各国の国境地域における敵対的行動の禁止、軍事演習の頻度・規模の制限などを主眼とした「国境地帯における軍事分野での信頼強化に関する協定」が締結されました。

上海協力機構(SCO)の設立

その後、本会合は毎年開催され、「上海ファイブ」の通称で呼ばれましたが、2001年6月にウズベキスタンを正式加盟国として承認すると共に、これを常設の「上海協力機構(SCO)」という地域機構に格上げしました。

その設立趣旨は、参加国の相互善隣友好の強化、各参加国の政治・経済・科学技術等の分野での効果的な協力関係の奨励、地域の平和と安全・安定の維持への共同努力、民主的で公正・合理的な国際政治経済新秩序の構築の4点となっていました。

上海協力機構(SCO)の本部と会合

現在、上海協力機構(SCO)の本部は、中国の上海に置かれ、毎年1回、参加国の元首による公式会談を開くほか、定期的に政府首脳会談が開かれています。

また、本機構には、加盟国以外に、オブザーバーとして、モンゴル、ベラルーシ、アフガニスタンが、さらに対話パートナーとして、スリランカ、トルコ、アゼルバイジャン、アルメニア、カンボジア、ネパール、エジプト、カタール、サウジアラビアが参加しています。

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