京都議定書

読み方: きょうとぎていしょ
英語: Kyoto Protocol
分類: 環境

京都議定書は、1997年に京都で開催された「気候変動枠組条約第3回締結国会議(COP3)」で採択された気候変動枠組条約の議定書をいいます。

この議定書では、先進国全体で排出する温暖化ガスを2008-2012年の5年平均で1990年を基準年として5.2%削減することが義務づけられ、また国際的に協調して目標を達成するための仕組み(排出量取引、クリーン開発メカニズム、共同実施など)も導入されました。

2001年に最大の排出国である米国が離脱したため、発行ができない状態がしばらく続いていましたが、2004年にロシアが批准したことによって要件を満たし、2005年2月に発効しました。

目次:コンテンツ構成

京都議定書の日本の対応

日本では、1998年に京都議定書の採択を受けて、国・地方自治体・事業者・国民が一体となって地球温暖化対策に取り組むための枠組みとして「地球温暖化対策推進法」が成立し、2002年には同議定書締結に伴い、「地球温暖化対策推進大綱」が定められました。

また、2005年には地球温暖化対策推進大綱を引き継ぐ形で「京都議定書目標達成計画」が閣議決定され、京都議定書の日本の6%削減目標達成に向けた対策と施策が明らかにされました。

京都議定書の主なポイント

京都議定書の主なポイントは、以下のようになっています。

◎先進国の温室効果ガス排出量について、法的拘束力のある数値目標を各国毎に設定。

◎国際的に協調して目標を達成するための仕組みを導入(排出量取引、クリーン開発メカニズム、共同実施など)。

◎途上国に対しては、数値目標などの新たな義務は導入せず。

<京都議定書の温暖化ガスの削減>

・対象ガス:二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、HFC、PFC、SF6
・吸収源:森林等の吸収源による温室効果ガス吸収量を算入
・基準年:1990年(HFC、PFC、SF6 は1995年としてもよい)
・対象期間:2008年から2012年
・各国目標:日本-6%、米国-7%、EU-8%、カナダ-6%など

京都メカニズムの主な内容

京都メカニズムの主な内容は、以下のようになっています。

共同実施:第6条

・先進国間(市場経済移行国を含む)で温室効果ガスの排出削減又は吸収増進の事業を実施し、その結果生じた排出削減単位(ERU)を関係国間で移転(又は獲得)することを認める制度。
・議定書の締約国会合が共同実施事業の検証や報告のための指針を作成することができる。

クリーン開発メカニズム(CDM):第12条

・途上国が持続可能な開発を実現し、条約の究極目的に貢献することを助けると共に、先進国が温室効果ガスの排出削減事業から生じたものとして認証された排出削減量(CER)を獲得することを認める制度。2000年以降の認証排出削減量の利用を認めている。
・先進国にとって獲得した削減分を自国の目標達成に利用できると同時に、途上国にとっても投資と技術移転の機会が得られるというメリットがある。
・議定書の第1回締約国会合が、クリーン開発メカニズム(CDM)事業の透明性、効率性及び説明責任を、事業活動の監査や検証を独立して行うことを通じて確保するために方法や手続きを決定。

排出量取引:第17条

・排出枠(割当量)が設定されている先進国の間で排出枠の一部の移転(又は獲得)を認める制度。
・条約の締約国会議が排出量取引に関連する原則やルール、ガイドライン等を決定。

iFinancial TV