インフレ税

読み方: いんふれぜい
英語: Inflation Tax
分類: 概念

インフレ税は、実際に税金が課税されるわけではないものの、インフレの進行によって貨幣価値が下落する一方で、実質的に民間部門から政府部門への所得移転が起ることをいいます。

政府が持つ「貨幣発行特権(シニョリッジ)」を活用したもので、意図的にインフレを起こし(もしくは放置し)、民間部門の貨幣価値を下落させることによって、政府部門の債務負担を減らす仕組みになっており、時として巨額の財政赤字の縮小策として密かに行われることがあります。

一般にインフレ税は、誰一人として逃れることができない「見えない税金」であり、またインフレになると、政府の債務負担が軽くなるだけでなく、物価上昇に伴って、資産価格や給与収入にも上昇圧力がかかることから、実際の税収も増加し、政府にとっては結構都合のよいものです。

その一方で、金融政策だけでインフレを起すことは容易ではなく、仮にインフレを起すことに成功したとしても、今度はインフレの制御が難しく、万一失敗した場合、インフレに歯止めがかからなくなって「ハイパーインフレ」となり、経済を崩壊させるリスクがあります。

◎不動産価格や株価などが暴騰した日本のバブル期では、資産インフレで実質的にインフレ税が徴収されたと言え、その恩恵を受けて、1988年からの5年間、政府の財政収支は黒字となった。

◎インフレを制御できなくなった結果として、インフレ税になることもあり、実際に第二次世界大戦後の日本において、貨幣の大量増発による激しいインフレで国債価格が暴落し、民間部門から政府部門への巨額の所得移転が起った。

※インフレ:インフレーションの略で、物価水準が継続的に上昇し続ける現象。