アニマルスピリット

英語: Animal spirit
分類: 概念

アニマルスピリット(Animal spirit)は、人(企業家等)の投資行動の動機となる、将来に対する主観的な期待をいいます。これは、日本語では、「野心的意欲」や「動物的衝動」などとも訳され、血気や野心から、時として予測不能で不合理な行動をする心理を指します。

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ケインズのアニマルスピリット

アニマルスピリットは、元々は、イギリスの経済学者であるジョン・メイナード・ケインズ(1883/6/5-1946/4/21)が「雇傭・利子および貨幣の一般理論(1936年)」の中で述べた有名な言葉です。

具体的には、経済活動の多くは、合理的動機に基づいて行われますが、一方で将来の収益を期待して事業を拡大しようとする、必ずしも合理的には説明できない不確定な心理を「アニマルスピリット」としています。

昨今のアニマルスピリット

アニマルスピリットは、昨今においては、2009年に米国の著名経済学者であるジョージ・A・アカロフとロバート・J・シラーが発表した共著「アニマルスピリット-人間の心理がマクロ経済を動かす」で再定義されています。

本著では、これまで多くのケインズ解釈者らによって無視されがちだった、経済現象の説明における心理的要因を重視すると共に、従来の経済学が想定する合理的経済人の行動原理からすると非合理的な心理的・感情的要因全般を「アニマルスピリット」としています。

また、本著が指摘するアニマルスピリットには、以下の5つの側面を持つとしています。

●安心(安心かどうかという印象)
●公平(公平に扱われているかに対する反応)
●腐敗と背信(違法でないとしても相手を騙すような意図を持った行動)
●貨幣錯覚(インフレやデフレを正しく織り込まずに名目の金額で損得を判断する現象)
●物語(物語をもとに物事を考えること)

アニマルスピリットの使用例

本用語(アニマルスピリット)は、経済や産業、投資などの記事で、たまに使われています。

・日本企業のアニマルスピリットは、お世辞にも高いとはいえない
・米国は自由主義の価値観を基に、民間のアニマルスピリッツを高め、常にチャレンジを奨励してきた
・○○社には、新しい技術や最先端の理論を駆使し、従来にはないプロダクトを生み出そうとするアニマルスピリットがある

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