シェールガス

シェールガスは、頁岩（シェール）層から採取される天然ガスをいいます。これは、泥岩の中で、特に固く薄片状に剥がれやすい性質を持つシェール（頁岩）に含まれ、従来（在来型）のガス田ではない場所から生産されることから「非在来型天然ガス」とも呼ばれます。

在来型のガス田との違いは、貯留層が砂岩でなく、頁岩である点で、また生産にあたっては、縦井戸を掘って自噴させる在来型の天然ガスとは異なり、地中深い頁岩層に沿って横方向へ井戸を伸ばし、超高圧水を注入する革新的な採掘技術の活用によって可能になりました。

現在、シェールガスは、埋蔵量が最大と言われる中国をはじめ、北米、南米、アフリカ、オーストラリアなど、世界の広範囲に埋蔵されていることが確認されています。そして、実際の商用生産については、21世紀に入って、米国で本格的な事業化が成功し、米国内で資源開発が急速に進みました。

その結果、米国の液化天然ガス（LNG）輸入が減少し、その分が欧州のスポット市場に流れ込んで相場は大きく下落し、特定のガス産出国が価格支配力を持つ構図を崩し、売り手市場から買い手市場へと変質させつつあります。さらに、世界のエネルギー勢力図を大きく塗り替える可能性があり、その変革は「シェールガス革命」と呼ばれます。

ちなみに、シェールガスの資源開発は、米国から欧州、中国などへと広がっていますが、日本については、地質年代が新しいため、シェールガスの埋蔵は期待薄とのことです。