重油

読み方: じゅうゆ
英語: Heavy oil
分類: 石油

重油は、原油から揮発油や灯油軽油などを分留した後の残りの高沸点の油をいいます。

元々は、原油の常圧蒸留後に釜に残る黒色・粘稠な残油を指しましたが、今日では、原油を常圧蒸留して軽油までを留出させた後の残油に、軽油などの留出油を混合して製した石油製品を指します。

一般に重油は、炭素と水素からなる炭化水素が主成分ですが、若干の硫黄分および微量の無機化合物などが含まれており、具体的には、配分にして、硫黄含有量はおよそ0.1~3.5質量%で、また無機化合物はおよそ0.03質量%以下となっています。

ちなみに、その名称は、ガソリンや灯油、軽油より沸点が高く、重粘質であることに由来し、また英語では、「重油(heavy oil)」よりも「燃料油(fuel oil)」と呼ばれることの方が多いです。

<日本のJIS規格の重油について>

現在、日本のJIS規格では、粘度の少ない順に1種(A重油)・2種(B重油)・3種(C重油)に分類されている。

●A重油:中小工場のボイラー用や小型船舶用ディーゼルエンジン用、ビニールハウス暖房用の燃料として使用
●B重油:中小工場のボイラーや窯業炉用の燃料として使用(近年需要は激減)
●C重油:電力・化学・紙パルプ工業等のボイラー用、大型船舶用ディーゼルエンジン用の燃料として使用

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