買入消却

読み方: かいいれしょうきゃく
英語: Retirement by purchase
分類: 償還

買入消却は、債券や株式の発行者が流通市場(マーケット)を通して、これまでに発行した債券や株式を買い取り、これを消滅・失効させることをいいます。

通常、買入償却が実施されると、マーケットに出回る債券や株式の流通量が減るので、需給関係が引き締められます。

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買入消却の活用について

買入消却は、債券の場合は、満期(償還期日)に全額返済する負担を避けるための方法(減債方法)の一つとして、また株式の場合は、資本減少の方法(減資方法)の一つとして用いられます。

例えば、企業の場合、社債または株式の買入償却を行うと、貸借対照表において、"資産の部"の現金や現金等価物が減る一方で、"負債の部"の社債または"純資産の部"の株主資本が減ることになります。

債券の買入消却について

債券の買入消却は、期中償還の一つで、「買入償還」とも呼ばれ、債券の発行体(発行者)が償還前に債券市場(マーケット)を通じて、債券の購入者(保有者)から買い取るというものです。

その際には、市場価格(時価)で買い取るため、発行者にとって、債券の時価がアンダーパーの時は有利に減債(債務を減らすことが)できる一方で、オーバーパーの時は不利になります。

株式の買入消却について

株式の買入消却は、株式の発行企業が株式市場(マーケット)で取引されている自社の株式(自社株)を自ら購入することで、減資(消却)を行うというものです。

なお、2001年の商法改正では、企業が買った自社株を消却せずに抱えたままにしておく「金庫株」の導入が認められ、以降、自社株買いをした場合に減資を行わない対応も可能となっています(現在は会社法に規定)。

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