損益分岐点

読み方: そんえきぶんきてん
英語: Break-even point
分類: 財務分析

損益分岐点は、「BEP」とも呼ばれ、売上高を増減させた場合に、損失と利益が分岐する点で、利益がゼロとなる売上高をいいます。これは、管理会計の概念の一つで、売上高と費用の額が等しくなる際の売上高のこと(=損益分岐点売上高)であり、それ以上になると「利益」が生じ、それ以下になると「損失」が生じることになります。

目次:コンテンツ構成

損益分岐点の算出式

管理会計上の利益は、売上高から費用を差し引いた額であり、また費用は、売上高の大小に関係なく発生する「固定費(家賃・人件費他)」と、売上高に比例して変わる「変動費(仕入原価・原材料費・外注費他)」の二つに分けられます。

これより、損益分岐点は、固定費全額を賄った上で、残った売上高と変動費が等しくなる水準であるため、損益分岐点=固定費÷{1-(変動費÷売上高)}の算出式で求められ、また限界利益率を使っても表すことができます。

損益分岐点の概要

損益分岐点の活用ポイント

企業は、日々の事業活動をする中で、財務分析で「損益分岐点」を知ることによって、様々に活用することができます。

例えば、短期利益計画を策定する際の指針としたり、ある一定のコストの下で利益を出すために最低限必要な売上高を予想したり、またある一定の売上高の下で利益を出すために必要なコストダウンの金額を予想したりすることができます。

損益分岐点比率の認識

損益分岐点比率とは、損益分岐点売上高が、実際の売上高に対して何%に相当するかを計算した比率をいいます。これは、業種によって大きく異なりますが、一つの目安として80%以下が理想とされます。

損益分岐点比率=(損益分岐点売上高÷実際の売上高)×100

損益分岐点の改善ポイント

損益分岐点を下げ、企業の採算性と不況抵抗力を上げるには、以下のような改善ポイントがあります。

・固定費を削減する
・限界利益率を上げる(変動費率を下げる)

iFinancial TV